春のひととき/番田
眠るのだろう
花を見た そこに 咲いた
流れる風の中で
時の隅のその中で
一本の思いを流しこみながら
もみ消されたイメージの中から それは何色だろうと
私は 感じるだろう それを
感じた気にさせられた 私は
魚の影を想像した
夜を 散歩している時に
*
一体 何なのだろう 見ていたものとは
捨て去られたものたちが輝いている
確かではなかったのだ 言葉は
波紋を見つめた テトラポットに 無数に転がる
今日も鉄棒にひとりでぶら下がりながら
何も知らなかった人を演じさせられる
誰なのだろう 私は
ぼんやりとやるせなさを抱えていた
すべてが無意味であるのなら
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