春のひととき/番田 
 
眠るのだろう
花を見た そこに 咲いた
流れる風の中で
時の隅のその中で
一本の思いを流しこみながら
もみ消されたイメージの中から それは何色だろうと
私は 感じるだろう それを
感じた気にさせられた 私は
魚の影を想像した
夜を 散歩している時に



一体 何なのだろう 見ていたものとは
捨て去られたものたちが輝いている
確かではなかったのだ 言葉は
波紋を見つめた テトラポットに 無数に転がる
今日も鉄棒にひとりでぶら下がりながら
何も知らなかった人を演じさせられる
誰なのだろう 私は
ぼんやりとやるせなさを抱えていた
すべてが無意味であるのなら 
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