線路を歩く/構造
 
通りだった。無事を確認するだけのメール
だったらしいが、派遣会社のほうで先走って勤務可否を問い合わせるメールを出して
しまったらしい。

今日の用がなくなった俺はすこし海岸部に行ってみようかと思った。
自転車で20分も走れば仙台港近辺まで着くだろう。
何かの覚悟を決めるにはちょうどいいかもしれない、しかしやめた。
実際に行った友人から惨状を聞いてる以上、わざわざ車の中を覗き込んで
誰のものともわからない死体を確かめる必要もないと思った。
現実を受け入れるもなにも、何を覚悟しろというのか、すこし混乱した。

散々原発のニュースを聞いてノイローゼになった姉は、旦那の実家がある

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