走れ、走り続ける。/ブライアン
眺めようとしているのだろう。なあ、そこからは何が見える?そうだな、大学と真っ暗な駐車場かな。
眠れない日も出てきた。四六時中雑音が必要だった。走れ、走れ、と声がする。何で走るの?雑音は弱々しい声で問う。なぜ、走らなければいけないのだろう、と。
深夜2時、国道6号線を北上する。かつて何度も訪れた合宿所を目指す。アパートから60キロメートル離れた海岸。真っ暗な道。ハザードを出して止まっている車。赤い光が点滅している。友人の車。窓を開け、声をかける。片手をあげて答える。もうすぐ寒い季節になるのだろう。肌寒さを感じる。手のひらを開いたり閉じたりして感覚を確かめる。まだ、ずっと遠くだ。ウィンドブレー
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)