走れ、走り続ける。/ブライアン
い明日。何のために生きているのだろう。生きるとは死の延長に過ぎない。言葉の表象のみを掬うイメージ。明日生きるということは、死に近づくということ。いったい、その後には何が残るのだろう。
小学生の頃の体力測定の日。運動神経は悪くないと思っていた。しかし、それは間違いだった。ほとんどの項目が下から数えたほうが早い数値。それでも、悪いと思うことはなかった。自惚れ屋なのだ。
高校へ入り、能力差が明らかになる。能力の差。越えられない壁。壁の前、ああそうか、と能力の差に逃げ込む。努力しても敵わないのだ、と。声には出さなかった。だが、心には甘えがあった。確かに能力の差はあっただろう。だとしても、だ。
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