走れ、走り続ける。/ブライアン
ることはなかった。アルバイトをしていた、ということもあるが、速さを競うことに限界を感じてしまったというのも事実だ。いわゆる落ちこぼれだった。3年間ひたすらに打ち込んできたこと。誰よりも遠くへ、誰よりも速く。それを放棄することがどういうことだったのか。気がつくことはなかった。
虚無感を感じ始めたのはいつからだろう。半年を過ぎたくらいからだろうか。アルバイトで疲れ、走ることから次第に離れていった。夜遅く、街の電気が消える。空には無数の星が見える。アルバイト先の友人と、誰もいない駐車場に座り込み、明日のシフトの話をする。アスファルトの駐車場に寝転ぶ。真っ暗な空。無数の光。決して絶えることのない明
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