走れ、走り続ける。/ブライアン
 
が出る。心が折れてしまう。

 高校を卒業して、大学へ通うことになった。雪の降らない地方。冬の空気は乾いている。高校時代、合宿で何度も訪れた場所から60kmほど南下した場所で一人暮らしをはじめた。大学から1キロメートルほど離れた場所にアパートを借りた。3月。引越しの荷物を運ぶ。冷たい風、乾いた空気。日向ばかりを暖める日差し。変わらない。マラソンシューズを玄関に置き、スニーカーを履く。
 ここは海に近く、少し走れば潮風を感じることが出来た。山に囲まれた盆地で育ったためだろう。合宿で訪れたときから、潮風を感じると、新鮮な気がした。何か特別な体験をしているように思えた。
 大学時代、部活に入るこ
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