走れ、走り続ける。/ブライアン
 
秒、22秒、23秒、と彼女の声が響く。
 不自然にと表現すべきだろう。走るスピードが上がる。前傾の体を持ち上げ、胸を張り、あごを引く。体は加速する。むかいかぜをきりなんだ、まだまだ余力があるじゃないか、と気がつく。前の走者の背を目で捉え、リズムを取り直す。
 残り2週だった。およそ5km。アップダウンの激しいクロスカントリーのようなコース。急斜面をくねくねと曲がりながら落ちると、山間の細い道を走る。次第に視野が開けてくる。周囲はこれから耕されようと待っている田んぼが広がっている。
 国道6号線と交錯する前に左に折れると、そのまま国道6号線と並行するように走る。下った分、今度はゆっくりと上り坂
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