【批評祭参加作品】アニメ『ハートキャッチプリキュア!』に見るソーシャル・ワーク/口菜はたま
 
夜を問わず徘徊し家族が疲弊しきっている、という話はよく耳にするであろう。俗に言う「問題行動(BPSDと呼ぶ方が好ましい、後述)」である。だが、彼は何も、家族を困らせようと徘徊しているわけではない。「家に帰りたい」だとか「まだ明るいじゃないか」とか、彼なりの正当な理由があるのである。ただ、彼が帰ろうとしている家は半世紀も前に取り壊されてしまった彼の生家であり、彼にとって夜と言えば星明かりのみの暗闇で夜通し電球が灯っていたことなどなかったので、残念ながら彼の言動・行動と周囲の認識とは大きく食い違ってしまう。この場合、彼の援助者がすべきことは、彼を力づくで押さえつけることでも、彼に真実を突き付けることで
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