【批評祭参加作品】アニメ『ハートキャッチプリキュア!』に見るソーシャル・ワーク/口菜はたま
 
と言うことである。ここに、ハートキャッチさんとソーシャル・ワークの符合を見ることはできないだろうか。
 具体的に、相談援助の展開過程を交えて見ていよう。
まず、「砂漠の使徒」は「心の弱った人間(問題を抱えた人間)」を見つける。心の弱った人間からデザトリアンを作りだすとき、デザトリアンは元の心が抱えていた問題を言語化して叫ぶ。まさに心の声である。この一連の流れは(図らずも敵側によって行われているが)、相談援助の過程で「インテーク」「アセスメント」と呼ばれる段階にひとしい。情報の収集と分析、解釈の段階である。
 デザトリアンとプリキュアの対峙はさらに象徴的である。
たとえば、認知症の人が昼夜を
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