【批評祭参加作品】アニメ『ハートキャッチプリキュア!』に見るソーシャル・ワーク/口菜はたま
呼ばれる怪物を作りだす。人々や街を襲うデザトリアンとプリキュアは対決し、結果的にはプリキュアが勝利する。注目したいのは、プリキュアがデザトリアンを倒したからと言って、デザトリアンの「素」となった人間の「弱った心」が回復するわけではない、という点である。「弱った心の持ち主」から見てみれば、自分の意志とは関係のないところで「デザトリアン」が作りだされ、デザトリアンとプリキュアは自分の知らないところで戦っているのである。ここに、ハートキャッチさんの立ち位置の特殊性を見て取れよう。彼女たちは「(心の弱っている人の)問題そのもの」には介入していない(できない)のである。
「ソーシャル・ワーク」は「社会福
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