【批評祭参加作品】 現代ホラー映画50選(3)/古月
で展開するものの、空気は徹底して陰鬱である。絶望的な未来図しか描けない状況で刹那的な快楽を貪っても空しいだけ……というシビアな現実のどん詰まり感が、じわじわと心を蝕む。一応のハッピーエンドと言えなくもないラストも、うら寂しい。
この映画によって近代ゾンビ映画の基礎は築かれ、以降はアメリカだけでなく海外でも精力的に亜流ゾンビ映画が作られていく(特にイタリア)わけだが、悲しいことにロメロ自身ですらも、未だ『ゾンビ』を超える傑作は生み出せていない。
『ゾンビ』の続編である『死霊のえじき』は予算の関係で理想とは程遠い出来になり、それに続く『ランド・オブ・ザ・デッド』『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』『サ
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