【批評祭参加作品】 現代ホラー映画50選(3)/古月
打ち壊し、「死者が生き返って人を襲う」という荒唐無稽な設定を用いながら、リアルで絶望的な篭城戦を描いた。以降、この設定を継承したゾンビ映画が増え始める。そして、それから10年、遂にロメロ自らによるゾンビ映画の決定版『ゾンビ』が作られた。
消費社会への皮肉などとも言われる本作の舞台は「いままさに崩壊しつつある世界」。ゾンビは世界中で爆発的に増え始め、ニュースではその原因を論じる番組が放送されている。数少ない生存者は安全な場所を求め、必死のサバイバルに旅立つ。
『ゾンビ』の見どころはなんといっても中盤以降のショッピングモールだが、個人的には前半が気に入っている。日常にゾンビが溢れる世界に人々は早く
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