雲にのったポポ/みつべえ
」
「なに、それ?」
「よく知らねえ。そういう名前らしいけど」
雲は海の上に出た。ゼリービーンズほどに小さく見える船が一艘、白い航跡をひいて運行している。
「あれは海賊船かしら?」
そうならステキだなと思いながら、ポポは雲に聞いた。雲はぶっきらぼうに答えた。
「きみがそう思うなら、まさしくあれは海賊船。それよりも随分遠くまできたけどさ、いいのかい?」
「なにが?」
「パパやママが心配するだろ?」
ポポは、雲が急に大人みたいなことを言いだしたのが、可笑しかった。
「ママは心配するだろな」
「パパもだろ?」
「ううん、パパはいないの」
「え・・・」
「パパはいないの
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