雲にのったポポ/みつべえ
ろ水面めがけて飛んでいるのだからね」
ポポは、雲の話をまったく聞いていなかった。
「わっ、またなんか飛んでくるぅ!」
飛んできたのは別の雲だった。ポポが乗っているのより、ひとまわり小さいが、何倍も速かった。今度は十分な距離をおいてすれちがったので、アクシデントはなかった。
「むこうにも誰か乗っていたみたい」
「猿が一匹」
「おサルさん? ウソみたいっ!」
ポポが素っ頓狂な声を上げた。
そのあとに飛んできたのは一枚の絨毯で、そのまた次が一本の箒だった。
「いろんなものが飛んでるのね」
「ここんとこ、ちょっと過密気味でね」
「あっ、いまのは?」
「大陸間弾道ミサイルだろ」
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