雲にのったポポ/みつべえ
 
とくらあ」
でも、ボキャブラリーに世代の断絶があって、ポポには通じなかった。
「なあに、それ、バッカみたい」
バカにされても平気だった。ものごとに深くこだわらない雲だった。

「ひゃあ、気持ちいい。すんごいっ!」
雲はポポを乗せて、大空高く浮かんだ。
「えーっ、見て、見てっ。鳥が飛んでいるぅ」
ポポは一人ではしゃいだ。
「あのねえ、空に鳥が飛ぶのは当たり前だろ。珍しかないよ」
「珍しいよっ。だって、あたしの下に飛んでるんだもん。なんだかあたし、偉くなった気分」
雲のきわに身をのりだすと、ポポの住んでいる街の全景が見えた。その中央を、くねくねと曲がりながら、どこまでもつづく川が
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