雲にのったポポ/みつべえ
 
ちゃいかん」
しかし、ポポは、ちゃっかり雲に乗ってしまった。
「きゃあ、ふあふあだあ。すごいっ! きれい! たまんないっ!」
雲は、たしかにたまらんわいといった風に、たぶん首だと思われる部分を左右にふった。
「ちえっ、タクシーじゃないんだけどなあ。まっ、いいか、どちらまで、お客さん」
ものごとに深くこだわらない雲だった。

「えーとね、どこが耳なのかわかんないけど、よく聞いてね。さっき赤いフーセン見たでしょ?」
「ああ、南の方に飛んで行ったな」
「それを追っかけてっ! それ行けっ!」
ポポが元気よく叫ぶと、雲は面白がって、ポポに調子を会わせた。
「おっと合点、承知のすけ、とく
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