雲にのったポポ/みつべえ
たっぷり三分はかかった。それから思いきって返事をした。
「背中に乗せてくれる?」
「ダメだよ。オレは仕事中だかんね」
飛行船は、ポポの頼みを、すげなく断った。そして、たぶん胸をはって言った。
「ここに字がかいてあるっしょ。コマーシャルなんだ。わかる? オレ、宣伝マン」
「電線マン?」
「ちがう。セ・ン・デ・ン・マ・ン」
なんだかよくわからないけど、ポポはすっかり感心してしまった。
「すっごおい! きれい! たまんないっ! で、なんてかいてあるの?」
陽気な飛行船は、きっぱりと答えた。
「知るもんか。じゃ、オレ忙しいから」
そして、行ってしまった。
「あーあ、つまんな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)