雲にのったポポ/みつべえ
とした。
間に合わなかった。
風船はポポをまったく相手にせず、青空をどんどんのぼって行き、ついに見えなくなった。ポポは、からだ中の血が、頭に集まってしまうほど反りかえって、それを見ていた。
とても残念だった。なんだか知らないけど、大事なものをなくした気分だなと、ポポは思った。
すると今度は、上の方から、大きな飛行船があらわれた。ぴかぴか光る胴体に、ポポが読めない字がかいてある。
「おーい」
手をふると、飛行船はすぐ降りてきた。犬のように素直なやつだなと、ポポは笑った。
しかし、次の瞬間、
「何か用かい?」
飛行船が口をきいたのには、さすがのポポもびっくり。立ち直るまでに、たっ
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