dragon kissed the crescent./鈴木陽一レモン
 
「無関心」と「愛」とは対極であるようにも思えるが、そのどちらも「やさしさ」の名で呼ぶことはできるぞっ、とギャレットは気付いた。
ということを勘案しても、ギャレットは七つの星のついた黄色い玉を龍に返してあげることを選んだ。龍はというと、七つの星のついた黄色い玉を返してほしかったのであるし、返してもらえたのであり、それで、にっこりした。
七つの星のついた黄色い玉は、ふわわーんって、浮かんで、もう、ほっとんど自分の意思で宙を泳いで昇り、龍のポシェットへと収まった。龍は、にっこりしていた。

おだやかな数秒のち、龍は思い出したように真剣な表情を作り直して、ゆっくりと厳かに、こう言った。
「ふむ…
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