性交/天野茂典
のお尻。君の脚。君の爪。なだらかにラインを刻む。君はすすんでショーツを脱いだ。何も恥ずかしいことなんてない。もし君が体毛に覆われていたとしても。ヴォボワールはいった。女はメスとして生まれるのだ.そうして女になるのだと.男にもそれは言える。男はオスとして生まれるのだ.そして男になるのだと。いま君は女なのだ。宇宙がぼくたちに性差を与えたのだから、与件を与えない限り、恥ずかしいことなんてないのだ。
君が恥ずかしがらなければ、ぼくもちっとも恥ずかしくなんかない。ぼくもすすんで裸になれる.裸のつきあいだ。何も劣情をもって性交することもないだろう。君は君のままでいるしかない。ぼくはぼくでいるしかない。朝顔の
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