夜明け/天野茂典
 
経緯が書かれてある。後に開国論が出るが、300年に渡って日本は引きこもりだったのだ。万次郎は米語にびっくりした。言葉が通じなかった。ボディ・ランゲージだ。喜怒哀楽を伝えるには、まずはコミュニケーションをとルことが先決だった。長い航海の末、万次郎はアメリカに渡った。カルチャーショックだった。アメリカは文明国だった。日本の田舎漁師が訪れる国ではない。だが万次郎はガンバッタ。アメリカ文明、アメリカ文化を吸収した。語学も堪能になった。やがて彼は通士となってアメリカと日本の架け橋になる。
万次郎は猫かわいがりされていた。糜爛してはいなかった。海の男だった、かれは。



四万十川は太平洋に注いでい
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