目玉焼きと会話/榊 慧
 
んでみたい」ト―は呟くと服を脱いでシャワーを浴びた。ト―にとってそれは三日ぶりのシャワーだった。

頭が高速回転するだろ?そしたらいきなりなんの前触れもなくとても静かに止まるんだ。いきなり。そしたら僕は高速回転しだした時にすでにパニックだったのに今度は止まってどうしたらいいのかわからなくなって、死にたいって。「冒涜と思う?」俺は答えを知らない。そのままト―の焼いた目玉焼きを食べていた。「だとしても、どうしようもないことなんでしょう」「そうだね。」ト―は中途半端に伸びてるから切りに行きたいと言ってそのままにしている髪をバスタオルで拭いた。「乾かさないの?」「僕の髪はドライヤーに慣れていないしその
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