長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
と
一方、
次第に無口になり、爆発的な性衝動を抱え込んだ少年達は
童顔に不釣合な棘を柔らかな顎に数本生やし
細い首に突き出た咽仏に怒声をとどめて
暗い目つきで通りを見ている
部活の後
家に帰って母を犯し、父を殺す夢想でもしているのか
既に掌中の珠は窯変してしまったのだが、
気づかぬ親は相変わらずの耳障りな声で呼びかけながら
階段を上がって来ようとする。
「ヨシオ! 早く起きなさい、遅刻するわよ」
るせえな
「ヨシくん! ご飯だから早く降りてらっしゃい」
うるせぇんだよババア
「ヨシオ! お風呂! お風呂入っちゃいなさい!」
・・・ 殺すぞババア
舌打ちしな
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