長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
くとも
子供達はポーカーフェイスと隠匿場所に習熟して行く
鍵をかけても机の引出しは危険だ
看守やスパイは取っ手と鍵穴が大好き
親がどこを見、どこを見ないか、どうやったら見えないか
日常の対象観察と経験則上の洞察から
子供達は証拠隠滅をいつしか
大人の偽善並みには上手くやりおおせるようになる
そして思春期後期は復讐の季節
いつやら指先に刺さった鉛筆の芯のように
自我はいびつに黒く硬く、じんじんと痛みの在り処を教えたが
気に留めるほどの質量ではなかった
しかしパンツの中に手を入れてみると最初は産毛に過ぎなかった恥毛が
黒々といやらしく密生していたのと同様
頭の中心で塊は
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