長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
 
低限
爪はじきに遇わぬバランスの人間になるよう形成せねばならない
人から物を貰ったらアリガトウと言うのは物心つく前から
自動人形並みにやらせる事が出来るが、
人前でハナクソをほじったり無辜の排尿器官をいじくるのが何故いけないのか
理解させるのは難しい
幼児にとって、心にもない媚びを売るより急襲的な生理現象を我慢する方が
どんなにつらいか
しかし反抗期以降も長らく厳守されるのが大方後者であるのは
躾の成果が如何ほどのものなのかを暗示していて興味深いテーマではある


「宿題やったの?」
「うん、やった」
ばれない嘘に熟練するには
幾多の失敗を重ねて痛い思いをするしか道は
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