「名」馬列伝(19) フジヤマケンザン/角田寿星
 
ただ、馬の記憶力はそんなに良くないらしく、3日前のことを覚えていればかなり頭がいい、とも聞いたことがある。

とはいえども、適距離が判明するまでは試行錯誤の連続だった。嵐山S2着から臨んだ菊花賞で、あわやの3着と予想外の好走をみせる。重厚な(当時では時代遅れの)血統も相まって、当時はステイヤーと思われていた。が、どうも長距離はダメ。巨体のクセに斤量にも弱く、ハンデ戦のローカル重賞も勝ち切れない。スピード決着の多い芝G1戦線では惨敗続き。
とうとう今度は初ダート、大井の帝王賞にまで出走してきた。なんと1番人気だったが、砂をかぶってやる気を失くし、早くも1コーナーくらいで先頭集団からずるずる後退
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