バースキャナル/望月 ゆき
 
描くことだった。この閉ざされたプランテイションで、栽培され続けるわたしに、やがておとずれる、実りと収穫、それが現実よりもずっと、くるしいものだとしてもわたしは、たぶん、なつかしんでしまう。なにも、なくさないと、ただ思っていた。いたずらに、コンパスで弄んだ指で、赤い液体が、点になる。子宮が、すこしかゆい。


 /性器ではないなにかが、欠けていた、とすればそれは、やはり尾びれだろうか。さかなとして産まれたなら、この湿気た、黒い海のなかを回遊し、誰かの足音を、退屈に聴くこともないのに。未来とはきっと、どこまでも潔く、尊い。けれども、五感のとぼしいぼくの、すべては、イメージの内側でしかない。ねぇ、
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