当たり前のクリスマス/yumekyo
っていた
夜が更けて 店を閉めるころ ベンチに座る男に目が止まる
南の島から 流れ流れで来た 派遣労働者だ
慌てて招き入れて 最後に残ったスープを そっとテーブルに置く
男は最後の一滴まで飲み干して 顔を見上げて
故郷の歌を 一節歌って むせび泣いたんだ
当たり前にやってきた
当たり前のクリスマスを きちんと祝おう
精一杯 精一杯 愉しんでみようじゃないか
うずくまった黒い影に 一時でもいい 光をかざして
両手いっぱいの ご縁がありませんでした を 抱える若者よ
必死のぱっち お前を探してる ハゲたオヤジが居る 忘れるな
夢をかなえる 王子様
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