当たり前のクリスマス/yumekyo
兄貴らしくなったって目を細めて
節くれだった手の サンタクロースが頭をなでる
小さな 小さな家に 眩い一番星が灯った
当たり前にやってきた
当たり前のクリスマスを きちんと祝おう
精一杯 精一杯 愉しんでみようじゃないか
忙しなさに 忘れかけてた 未来への希望を両手に汲んで
日の差さず 底冷え厳しい 日曜日の昼下がり
ついぞ転寝をした 僕は随分リアルな 夢を見たんだ
雪の降りしきる 北の古都(みやこ)の 洋食屋
この夜を 一生の記念日にしたいという
懸命なふたりのテーブル シェフ自慢のスープを手ずから注いでは
うっとりと肩を寄せるのを 見守って
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