当たり前のクリスマス/yumekyo
 

何があっても 譲ることの出来ない 宝物になった

当たり前にやってきた
当たり前のクリスマスを きちんと祝おう
精一杯 精一杯 愉しんでみようじゃないか
かつて 両手に注がれた 放射熱を思い出して

台所の 曇りガラスの 向こう側には
腕によりをかけた ご馳走を作る 懸命な母がいる
リビングで きょうだいふたりが はしゃぎまわっては
クリスマスツリーに 色とりどりの 飾りを巻いてく
ジングルベル 綿帽子 靴下も忘れずに
玄関から 頼もしい声がしたんだ
東の街から 帰ってきたんだ
お星様をつけてよ っていう 元気な男の子に
ずいぶん兄貴
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