『ボク』/うんち
 
ーペットの上で突っ伏して寝た。

母さんはよく解らない詩を作る。

もっそり夜が来る
ざわめきだす羽音
ぎらぎらのびーびー弾2つ
猫の歩き出した細道
こっそり追い掛けて
てんてんのしっぽ
それはだめです
おうちに帰りなさい。

すぎゆく車の音が右から左へと、しゃぁーん、しゃぁーん。その音だけ。

この住宅地では、変化するのは、車の移動と、音もなく散歩をする老夫婦の様子くらい。

通りの並木の葉はよく茂っていて、家と家のあいだを、のびのび生きてくる。

その並木と並木の間を、縫うようにして数台かの白い車は無表情に
直線を描いて向こうへと消えていく。

哀し
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