林檎のある浴室/リンネ
点をしばらく眺めていると、突然そこから、林檎が一つぬっくりと浮かんできた。これはいったい、どういうことだろう!
私は手を伸ばし、その林檎に触れようとするが、奇妙なことに、水面に立った波にのって、林檎が自分の手を避けてしまう。何度も掴みかかるが、そのたびにゆるりと見当もしないほうへ逃げていく。そうしているうちに、私はひどく悲しくなってしまい、林檎を見つめたまま、もう何もせずにぼうっとしている。
女の足がいつのまにか、自分の股間まで伸びている。そのせいで私は、なんとも恥ずかしい気持ちになってしまった。女のほうはそれを察してか、先ほどから、ふたを開けたようにかしゃかしゃと笑っている。その笑い
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