瞬瞳 / ****'03/小野 一縷
目蓋をスクリーンにして それから見る
夢じゃない 事実を映そう
洗礼を射し込まれ そこに 敬虔であろうとしたこと
ただ
求めたのは 赦しではなかった
融合すること そこに 溶け合うこと 交じり合うこと 一つになること
一種の宗教的側面を有する その行為は
体力と体液を消耗する不埒な避妊性行為と相容れる要素が余りに多いが
しかし 思うところの深層から生まれる または
生まれてしまう種子に 死から誕生へのプロセス
その発芽の経過を原風景として それが仮に素描であれ
記憶の中に 刷り込むことが出来たんだ
幾つかの曖昧な記憶を連鎖しても 瞬間的であれ
時
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