瞬瞳 / ****'03/小野 一縷
 

時間を遡ることは可能かもしれないが 
それは さほど重要な事じゃない


熱を感じる 光を 遠くに感じる
その距離が遥かであれ 光の存在
いつかと同じ 光の存在
それを感じていれば いいんだ


想いは 幾つかの特別隔離された記憶の連結において 
光より速く 通過する


そして 辿り着いた ここに
きみが いる
ぼくは いない
きみだけが いる
ぼくを眼に宿した
きみだけが いる


ぼくは 帰還する
二つの原子枠が開放された
いつかの 今 きみの瞳の中へ



 

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