ジェンガ/田中ましろ
 
ゆるやかな好きに支配された部屋で夜が明けるまでジェンガをしよう

伝えてはいけないことに無邪気さを添える あなたのとなりは黄色

真顔にはならない感情は見せないあなたに恋を強要しない

まっすぐな狡さを矛にして強くあなたを貫くことができたら

ためらいととまどいの色 音もなくカシスウーロンの氷は溶ける

諦めたように言い聞かせるように呼吸をあわす言葉をさがす

言葉では見つけられない答えから逃げだすように触れるくちびる

どちらかが甘えてるってわけじゃなくピンキーリングは外れて落ちる

なにもかも間違ってても手のひらは涙をぬぐうための大きさ


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