背中で語る/yumekyo
 

わたしは真実だと信じているから

泣きたければ泣け
地べたを這いずり回って叫べ
馬鹿にされて言い返せないなら
むしろ黙っていればいい
凛と ひとりたつ背中が
悔しさにふるえていればいい
憎しみに満ちてすら 構いはしない

なじった先の彼には
悔しさも憎しみすら感じ取れなかった
木っ端のひとつになりきって
毎日の就業時間をやり過ごして暮らす
冷笑による至極あっさりとした「はい」は
関与を拒絶するためのバリケードとして存在する
物心ついたときから栄光や賞賛を受けずに
不景気と没落のニュースばかりを聞いて過ごしてきた
昨今の若者達は
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