ねじ穴と球体/魚屋スイソ
合わせ続けた。
翌日、おとこは冷蔵庫のなかのおんなのかすが凝固しているのに気がついた。ばら色のまだら模様で、やはり時計まわりに渦をまいていた。
おとこはそれをはじめスプーンですくって食べていたが、すくってもすくっても減らないため直接ボウルに顔を埋めてすすることにした。
おんなのかすでできたゼリーは冷えていてた。頬や額に吸いついておとこの体温を奪った。けむりの味がした。首をしめられているのと同じ味だった。金属的な時間がすぎた。
すでに球体のなかは満ち満ちていた。浮き沈みしながらもふたりは交配を続けていたため、呼吸はほとんどできていなかった。しかし溺れるより先に体液を放出しすぎ
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