【連詩】 家族ピアノ/古月
 

積もっていく
 そ、  うだ、
       の 不協和音   いと しく、て、
手形 だらけの    譜、
あ、      つ、            い、
               (黒い口から洩れる)

 「それは本当に猫でしたか?」
 「えっ、一体どういう……」
 「あなたが叩いたそれは本当に、」
 「猫、」
 「踏まれた」
 「譜まれた」
 「あなたは、
 「猫、踏まれるのは猫でしょう」
 「よく思い出してください。猫でしたか?」
  (悲鳴)
 「鎮静剤」

毛なみの白い美しい猫でまるで眠っている
ようでしたが頭部だけ黒く変色して父は

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