コメディ / ****'04/小野 一縷
 
暗黒色を湛えている闇の底に
化学汚染された 汚泥が蜜の緩やかさで 甘く流れ込む


夏の夜 黒い星屑が 無音で降りしきる 
静寂の生まれいずる暗天の奥に 蒼く輝く 冥王の星は凶徴


下草の更に下に隠れた芋虫を 何匹も踏み潰して進む
蒲の穂の綿毛が耳に入らぬように 両耳を塞いだ
遠く呼んでいる 老いたサテュロスの 声は届かない


朽ち果てた馬車が 枯草に覆われて 灰色に眠っている 
さらさらと 小道をゆく風は 黄金の秋を告げる
淡く薄い陽光が 麦の穂を撫でて


子供達が玩具の鉄砲で殺し合っている
嬉しそうに 息を切らして 撃っては殺し
撃たれては死に 死
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