少女詩 さいごの日曜日/salco
 
だけの事実に死骸が残らないように
死滅への準備期間に名前なんかありはしない
あるのはただ、さみしさだけ


失われ行くものは目に焼きつけなくてはいけない
そうしないと、なかったのと同じになっちゃうでしょ?
それで、歩いていたら声をかけられた
それからホテルで恋を撮られた
彼はいれずみだらけで、裸さえ着ているみたい
背中に渦巻く暗雲を大きな龍が昇って行く
でも実際は動いていない 
わずかな身悶えだけ
皮ふに飼う別世界に自分の魂を連れ去りたい男
まさしは暴力団員だと後でわかったけど
やくざが若い男で、竹下通りを歩いているなんて
まさか思わないでしょ?
あたしのお腹に咲
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