国道 点滅する信号線/ブライアン
 
点、点滅する信号、小さな神社には七五三の旗が立っている。秋だなあ、と感じる。走るスピードを上げる。他人のような風をより一層感じる。点滅する信号の赤い光が道路に照らされる。暗くつめたいアスファルトの上。
 
午後九時を過ぎると、故郷にある唯一の信号機は点滅を始める。唯一の歩道橋にその光が反射する。国道の横、細い歩道には雪が積もっている。靴の中にしみこむ冷たい水の音がする。クチャクチャ、と。点滅する信号の光は、白い雪の上、どこまでも届いている。月光は雪に反射して青い。時に、トラックの通過する光が国道を照らす。交通量は少なくも多くもない。一般的な田舎の国道そのものだろう。東は福島県に延び、西は新潟に
[次のページ]
戻る   Point(2)