薫/Porter
放さに手を焼いてもいた
伯父は敏感にそれを感じとって
結局は相容れないまま孤独になっていった
誰の忠告にさえ耳を貸さなかった
年に一度の秋祭りの日だけは子供のようにはしゃぎ
陽気な酒を飲んだが
やがて癌が伯父の声帯を奪い
伯父は言葉を失った
歯痒さを抱えながら感情を文字で表し
身体の具合が悪くなっても娘を除いて誰にも会いたがらず
秋祭りを窓から眺めた
病室のドアが開いて
僕が中に入ると
伯父は眠ったまま小さく胸を上下させていた
僕は消毒液の染み込んだ手で伯父の手に触れ
耳元へマスク越しに名前を呼んだ
僕を罵った口には綿が詰められ
も
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