Queeeen/salco
 
た新生児はやはり紫色の奇怪な猿じみて、黄泉へ流れ
た出来損ないどもと大差がない。それが娘ですらない。おお何と、何と醜
い徒労であろう。
「下げるがよい」

 それが城の東翼で待機する乳母の元へそそくさと運び出された後のこと
だ。男を沁み渡らせた時の官能とは対極の、享楽の代価としては余りに不
当な勘定に二夜を踏み裂かれ、ぺしゃんこになって横たわりながら、女王
は不思議な感覚の出所を探っていた。
 あの嘆かわしい余計者を、それでもともかく自分の胎は初めて完成させ
たのだ。落胆の底で覚えた確かな充足は、生まれた時から双肩に負わされ
て来た責務を今ひとまずは果たし得たことへの安堵であ
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