Queeeen/salco
 
えてしまったのだ。ついぞ今迄こんなていたらくはな
かったものを。ところがだ、外れたのをお気づきにならず動かれていた」

 回廊の蔭や園庭の暗がり、酒場の片隅で声を潜めた打明け話が交され
た。さすがの好き者達も、苦役となっては勤めを逃れる口実を探すように
なり出したらしい。
 

 腹ばかり膨れた餓鬼さながら、両脇を支えられて湯を遣うのもままなら
なくなり、近頃は垢じみた体を横たえて拭くに任せている女王がこのまま
衰え、国も滅んでしまうのではと大臣達がうろたえ出した頃、均衡の水が
破れて快楽の口を流れ下り、神罰の如き激甚の痛みが胎に轟いて、ようや
く女王は少しく月足らずの子を
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