神様、二番地で消えて/ピッピ
なんとなく察していたのは
オッサンがこの辺りの人じゃないということ
もともと観光地が近くて
旅行者がいっぱいいる場所だからいてもおかしくはない
ただ気になったのは
オッサンが手ぶらだったことと
こんな時間にいること
そしてもう一つは
俺のことを「少年」なんて呼びかける
類稀なるセンスの悪さだ
少年、
今は楽しいか?
酔っ払いだ、そう確信した
ただ酔っ払いの相手をするのは昔から嫌いじゃないと思っていた
親父も叔父もいつもこんな話をしていたからだ
いや、全然
今もさあ、こうやって塾の帰りに一人で飯食ってるんだ、
うち帰っても誰もいないか
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