命日/こしごえ
 
六月二十七日は、
私のしるひとの命日です
あの葬式では、
天気雨降りました。
七色の午後
左手薬指の約束に花輪をそなえました。

あの天然水は
このからだをとおりながれることはなくいまも
封を切られずに沈黙し 幽かな光に静止しています
行方不明な影を
たどることは出来ず
傘をささずに立ちつくし 空の雲をみあげました

くちびるもぬれて、ぬれて
うしなったはずのことばを
視線にそわせた
しずけさが飽和している
宙をつかんだこぶしのなかに
、すべてあるの、とひらく左手めまいにかざす

いつかしら。(風のふきすぎ(万有、引力、さね。
色もなく玄雲(は)(水影透
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