ポチの消滅/テシノ
 
らポチがポチがと叫ぶ私に相当驚いて、怪我がないかと確認した事だろう。
私はしゃくりあげながら何が起こったかを説明し、ポチが怖いと訴えた。
訴えながら、そうとしか表現できない事にもどかしさを感じていた。
今ならばわかる、私は怖いだけで泣いていたわけではないのだ。
いつもは優しい友の裏切りが悲しくて泣いていたのだ。
そしてその悲しみが私には怖かった。
それは私にとって人生初の友との喧嘩だったのだ。
母にはそれがわかったのだろう、泣き止んだ私にポチの所へ謝りに行こうと言った。
もしかしたら、ポチはあの棒で悪ガキ達にいじめられた後だったのかも知れない。
そう考えるとあの豹変振りにも納得が
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