ポチの消滅/テシノ
るようになった。
ポチはこの宝物をどんな風に褒めてくれるだろうか。
何せただの棒ではない、「ものすごくまっすぐな棒」なのだ。
私はわくわくしながらポチの元へと向かった。
しかし、その日のポチはいつもと様子が違った。
私が門から覗き込むなり、いきなり吠えかかってきたのだ。
びっくりして身を引く私に構わず、ポチは突然「ものすごくまっすぐな棒」に噛み付いた。
そしてあっという間に私の手からそれを引き抜くと、そのまま小屋の中へ入って出てこなかった。
その時のポチは犬そのもので、私は泣きながら家へと走った。
こんな日に限って母は私がポチの元へ行った事を知らなかった。
大泣きしながらポ
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