ポチの消滅/テシノ
 
のためにポチが門の外まで出てきてくれる、そんな逢瀬だった。
のちに聞いた話だが、母は私とポチの日々の逢瀬を逐一察知しており、私がポチに危害を加えられはしまいかとそっと様子を窺っていたらしい。
言われてみれば、ポチと別れて家へ帰る途中でばったり母と出くわす事が多かった気がする。
一人遊びが苦手だった私のために、母はたびたびカトウさんちへ挨拶に行ってくれていたようだ。
当時の私はそんな事も知らずにポチとの友情を育んでいたのだった。

ポチはとてもおとなしい犬で、私が遊びに行くといつもにこにこと出迎えてくれた。
そして、彼は賢かった。何せ人間語を話す事ができたのだから。
私達は飽きる事な
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