お前が世界と戦う時は 2/テシノ
 
人犯。
私達は「そういう事をする人もいる」と知っているが、だからといって「人それぞれだから仕方ないよね」などと許しはしない。
法律がどうのという以前に、倫理や道徳といった物差しで「こっから先はダメ」と自主的に線を引く。
それらは私達の血肉に染み付いたものであり、理屈ではなくほとんど反射的に、そこにそぐわぬ者を弾き出すのだ。
従って、倫理や道徳の申し子である私達には無造作に世界の多様性を許す事など不可能であり、例のラブ&ピースなプロパガンダも、結局は理想論にすぎないという事になる。
いや、むしろ「違いを知り、違いを許さない」という、本来ならば争いや差別の根幹となる精神を、倫理や道徳という大
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